2015年10月31日土曜日

タンジェリン Tangerine

第28回東京国際映画祭上映作品。



Tangerine(2015)
監督:ショーン・ベイカー
出演:キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー

 
あらすじ



ロサンゼルスの夏のようなクリスマス・イブ。トランスジェンダーの娼婦シン・ディは、恋人の浮気相手を見つけてとっちめようと躍起になる。歌手を夢見る同業の友人アレクサンドラは、カフェでのライブが迫っている。アルメニア出身の心優しきタクシードライバーのラズミックは、変態ちっくな欲望を満たそうとしている…。危険な香りが漂う街を舞台に、3人の大事な夜がカオティックに交差する様を描く爆笑コメディドラマ。(第28回東京国際映画祭公式サイトより)


感想
 
これはめちゃくちゃ面白かったです!!今回の映画祭で観た作品の中ではダントツ。

予算があまり無かった事もあってか全編iPhone 5Sで撮影しているのですが、この映像がまず良い!!色々と加工しているからだと思いますが、全然安っぽくなくて雰囲気が出ているし、逆に日常感が出ていて成功していると思いました。

主演のキタナ・キキ・ロドリゲスとマイヤ・テイラーは監督たちが街中で探索している時に出会って出演することになったそうで、ストーリーも彼女たちの話をベースに組み立てていったそう。映画の中で二人は凄く実在感がありました。

やる事なす事なかなか自分の生活とはかけ離れ過ぎていたのは確かですが、観終わる頃には二人とも好きになってました。必死に生きてる感じが良かったですね。この辺グレッグ・アラキの映画に近いものも感じました。

二人以外の登場人物もルックスが整い過ぎてなくてリアルにいそう!って思いましたね。

あと、インディー感増したDiploみたいな感じのダンス・ミュージックが大半の時間流れているのですが、この使い方が最高。使い方というか入れるタイミングかな。アガりました。



2015年10月13日火曜日

ジュラシック・ワールド Jurassic World

「ジュラシック・パーク」シリーズ4作目。



Jurassic World(2015)
監督:コリン・トレボロウ
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ビンセント・ドノフリオ

 
あらすじ
 
 
世界的な恐竜のテーマパーク、ジュラシック・ワールド。恐竜の飼育員オーウェン(クリス・プラット)が警告したにもかかわらず、パークの責任者であるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させる。知能も高い上に共食いもする凶暴なインドミナス。そんな凶暴なインドミナスが脱走してしまい……。 (シネマトゥデイより)


感想
 
『ジュラシック・パーク』といえばスティーブン・スピルバーグの言わずと知れた大ヒット作ですが、実は前3作とも観たことが無くて。個人的にこういうタイプの映画は家で観ても楽しめないので、そのままいきなり『~・ワールド』を観に行ってきました。

今回、去年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ぶり2回目の4Dで観ました。やっぱり4Dで観るとアトラクション感が増すというか。攻撃されたりするシーンで足元がわさわさするんですけど、それが結構コワくて楽しめました。今から観に行くなら4Dオススメです。

内容に関して言うと、前作までを観てなくても特に問題ないと思います。ある一家の長男と次男が脱走したインドミナスと出会ってしまい逃げまくる、という展開に、この二人のおばであるクレアと、彼女と微妙な関係が続くオーウェンが絡んでくる感じです。

前半から中盤までは、「ジュラシック・ワールド」のテーマパーク感を楽しめたし(水中にいる恐竜モササウルスのショーとか、カプセルに入って恐竜を見て回るツアーとか)、実際現実に「ジュラシック・ワールド」があるとしたらこんな感じなんだろうなあ、と思いました。そこから満を持して登場したインドミナスから逃げ回るところも4D効果もあってかなり迫力がありましたね。あ、そのキャラ普通に死んじゃうのか、とか結構容赦ない所も良かったです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

ただ、終盤の展開はちょっと。。なんかウルトラマンみたい、というか。それはまあいいんですけど、主にラプトルのコミュニケーション能力が前半に比べて上がり過ぎていて違和感から生まれるキモさを感じました。オーウェンの気持ちを汲み取ってインドミナスに伝えるところとか。

あとキャラクターが好きじゃなかったかな。オーウェンとか、あの田舎の頼れる、ちょっとだらしない所もあるようなキャラはいかにも過ぎて、アメリカ人好きそうだなー。。と思って観てました。一家の長男のキャラは彼女いるのに他の子にちょっかい出す・・・と思いきや恥ずかしいのか踏みとどまる、弟を面倒に思っている・・・と思いきや急に優しくなる、、と思春期の不安定な感じが出てて良かったんですけど、後半はいつの間にかストレートに弟思いのお兄ちゃんになっているし。管理室のオタクキャラの男がクライマックス前に同僚の女の人に振られるギャグっぽいシーンがあるんですけど、それもテンプレ過ぎないかな。

ただ、色んな人種のキャストがいるのは良かったです。あのアジア人の科学者とか実在感ありましたし。





追伸:オーウェンとクレアのカップルは多分上手く行かないと思いました。

2015年10月3日土曜日

ハンナ HANNA

ジョー・ライト監督による2011年の作品。主演に『つぐない』のシアーシャ・ローナン。
 
 

HANNA(2011)
監督:ジョー・ライト
出演:シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット
 

あらすじ



フィンランドの山奥で、元CIA工作員の父親に格闘に関するテクニックを教え込まれたハンナ(シアーシャ・ローナン)。彼女は、人の痛みを知らず感情を持たないまま16歳になる。すでに父親の戦闘能力を超えていたハンナは、ある任務のためにヨーロッパへと旅立つが、父親の同僚だったCIA捜査官のマリッサ(ケイト・ブランシェット)がしつこく追ってきて……。 (シネマトゥデイより)
 
 
感想
 
今回は新作ではないのですけど、今日久々に観返しまして。凄く好きな作品なので紹介したいと思います。

ジョー・ライト監督は『プライドと偏見』、『つぐない』辺りの文学作品が有名ですが、個人的にはコッチのが好きですね。こういうアクション映画は他に観たことが無いです。なんというか、北欧映画の雰囲気をまとった少女アクション、みたいな。アンダーグラウンドとメインストリームの絶妙なバランスで成り立っている映画だと思います。

例えば、序盤ハンナがCIAに囚われた時のアクションシーン。



特に派手なアクションがある訳ではないのに凄くカッコいい!!画の構図とか演出で魅せてます。このあたりジョー・ライト監督だからこそ出来たシーンなんじゃないかな。シアーシャも華奢なのに演技で強さに説得力を感じさせていて目を奪われます。

また、ハンナは世間から離れて暮らしてきたので普通の人と関わった時に、色々とカルチャーギャップが生まれます。



「キスする時必要な筋肉は...」とか言っちゃう感じ。ベタですけど、基本シリアスなストーリーの中でたまにこういうとぼけた笑いが入ってきたりするのも良い意味で枠組みを壊しているように思います。

音楽はケミカル・ブラザーズが担当していて、これも程よい緊張感に繋がってます。



突っ込みどころが多かったり(テレビにはビックリしているのにパソコンは普通に使えてたりする、そもそもマリッサを殺すのが目的ならもっと良い方法がありそう、父さん結構弱い・・・etc)、終わりがあっけなかったりするのは確かにあるのですけど、個人的にはその変なバランスも映画の雰囲気に繋がっていると思うので、アリかな、と。

ただ、結構投げっぱなしになってしまった感のある設定が多かったので、続編が観たいなあ。。今のところ音沙汰無いですけど。。

ハリウッドのビッグバジェット系のアクション映画に飽きてきた人で、ちょっと違う感じの映画を観たい!っていう人は観てみると案外ハマるかもしれません。