リアル鬼ごっこ

山田悠介のベストセラー小説『リアル鬼ごっこ』を園子温監督が再映画化。



リアル鬼ごっこ(2015)

監督：園子温

出演：トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜
 

あらすじ

 

 

彼女たちの名前はミツコ、ケイコ、いづみ。全員、女子。3人は同じ学校のクラスメート？　 それとも、まったく見知らぬ女子高生なのか？　平和な日常は突如崩れ去り、“クライマックス”が一気に押し寄せる。木々の風。森の風。押し寄せる風。女子しかいない風景。女たちの通り。誰かがいつでも見つめている。いくつもの視線。それが風になり、凶暴な疾走となり、凶器となる。一体、何のために追われるのか？　「私は何で追いつめられるの？　女子高生だから？　女だから？」木々の風。森の風。破られる制服。引き裂かれるドレス。「追ってくる鬼は何？　隠れているのは誰？」（公式サイトより）

感想

 

原作の小説は一応中学生くらいの時に読んだことがあったので元の大まかなストーリーは知っていたのですが、今回は追われる人間が「佐藤さん」から「女子高生」に変わっていて、あと園子温監督だとのことで、ある程度改変してくるのだろうなとは予想していたのですが、映画観終わってビックリ。原作全く関係ないです。（笑）

それもそのはず、後から調べたら、監督は原作をあえて読まずにタイトルからインスパイアされて全くオリジナルの脚本を書き上げたそうです。

今回はちょっとだけネタバレありの感想になるので、これから観に行く予定の方は気をつけてください。あまり情報を入れずに観た方が面白いかなと思います。


そもそもの原作のストーリーを一応説明しておくと、未来の王様が全国の佐藤姓の人間を捕まえて処刑する「リアル鬼ごっこ」を実施して、主人公（佐藤さん）がゲーム終了まで逃げようとする、という感じです。

一方、今回の映画は、トリンドル玲奈演じるミツコたち修学旅行生を乗せたバスがナゾの風によって真っ二つになり、ミツコ以外の人間も同時に胴体が真っ二つになって死んでしまうシーンから始まります。
その後ミツコは怯えながらそのナゾの風から逃げ続けます。（この辺のシーンはドローンを使ったのかな？と思わせる空撮のカットが多くて楽しかったです。一部映像が乱れるところもあった気がしますが。）
その後は逃げ続けるうちになぜか違う学校にワープした感じになって、その学校の友達と教室を抜け出して森ではしゃいだり、、かと思っていたら学校に戻ると再び殺戮が始まったり。。ある程度原作と関係あるストーリーだと思っていたので結構度肝を抜かれました。（笑）この辺が「何この映画？ここからどう進むの？？？」って感じで一番わくわくしましたね。
あと、トリンドル玲奈が良い！恐怖に怯えている感がじわじわ伝わってきました。女優として根性のある方だなあと思います。

その後ミツコは再び逃げ出しまして、篠田麻里子演じるケイコが登場するのですが、この辺から個人的にはダレちゃったかなあ。登場の仕方でなんとなく「ああこういう映画か。。」と予想が付いてしまう感じなので。
その後の展開がスピーディーだったら良かったんですけど、ここからまだ結構ありますからね。あとトリンドル玲奈と比べての篠田麻里子の役不足もある気がします。

結果どういう映画かというと、ちょっと『エンジェル・ウォーズ』（好き）とか思い出しましたね。結構アラはある作品だと思うのですけど、個人的には結構好きかもしれないです。
結婚することになってる婿が豚面、とか、「シュール」というキャラクターとか、最後に出てくるある役者のシーンとか、なかなか要素として面白いところは結構あったかなと思います。最後の最後まで女性しか出てこないのが妙な感じだったのですが、コレも効いてます。

あと音楽がいいですね。日本のMONOというバンドが楽曲提供しているのですが、この切ない曲がストーリーと相まって独特の余韻を残します。

 

 

2015年上半期ベスト・アルバム5 The Best Albums Of 2015 So Far

上半期で良かったアムバムを5枚紹介します。


5.Skrillex and Diplo present Jack Ü/Skrillex and Diplo

スクリレックスとディプロのユニット、ジャックÜによるファースト。上半期のダンス・アルバムを1枚選ぶとしたらコレかなあ。
遊び心に溢れていて、新しいことに挑戦しようとしているのが伝わってきます。
ちょっと過激（うるさ過ぎ）な部分が目立つかな、と最初思ったのですが、リバーブやディレイを上手く利用した音作りや、ゲスト・ボーカル（ジャスティン・ビーバーやアルーナ・ジョージ）の爽やかさが上手いこと聴きやすいサウンドに仕上げています。このひんやりとした感じの音は中毒性ありますね。




4.California Nights/Best Coast

US西海岸を拠点に活躍する男女デュオ、ベスト・コーストの3枚目となるアルバム。
タイトル通り、「カリフォルニアの夜」のイメージが目の前に広がります。
爽やかなサーフ・ロックでありながらも、どこかノスタルジックで闇を感じさせるところもあって、そのバランスが心地よいです。




3.Broke with Expensive Taste/Azealia Banks

延期に延期を重ねてようやくリリースされたデビューアルバム。
多くのプロデューサーが関わっていて、様々なジャンルの音楽からの影響を感じますが、アルバムを通して世界観が出来上がっていて凄い。
ラスト近くに挟まれるメロディアスな異色ナンバー「Nude Beach A Go-Go」がアルバム全体を引き締めています。
来日した時のライブも行ったのですが、パフォーマンスが本当に最高でした。踊りは上手いし、「Yung Rapunxel」のサビで叫ぶところでメガホンを使ったりするのとか、魅せ方が分かってると思いましたね。




2.Another Eternity/Purity Ring

こちらは3月に感想を書いていたので省略します。




1.Kindred/Passion Pit

自分がパッション・ピットの音楽を好きな理由として大きいのが、ボーカルの声質も、打ち込みのエレクトロ・サウンドもポップで一見明るいのに、どこか不安定でギリギリのものを感じさせるからです。
そのギリギリのところで生まれるポップソングが物凄く美しい。なんというか、「必死で生きてる！」って感じが伝わってくるからですかね。
アルバムの中では、以前友達に手伝ってもらって和訳した「Lifted Up (1985)」と「Where The Sky Hangs」の2曲が特に好きです。





という訳で上半期上位5枚でした！個人的にポップだけどノスタルジーを感じさせるものが好きなので、そういうものが多かったかな。
他に良く聴いたもので言うと、ゼッド（Zedd）の『True Colors』、イマジン・ドラゴンズ（Imagine Dragons）の『Smoke + Mirrors』、マドンナ（Madonna）の『Rebel Heart』あたりですかね。