2016年12月28日水曜日

2016年ベスト・ムービー20 The 20 Best Movies of 2016

今年良かった映画を紹介していきます。


20. 新感染 ファイナル・エクスプレス

タイ旅行中に現地の映画館で観ました。タイの映画だと思って選んだんですけど韓国の映画でした笑。韓国映画ってあまり観たことが無いんですけど、クオリティが高いなあと。ハリウッドの超大作に全然負けてない。結構残酷というか切ない展開も多いのが余韻として良かったです。韓国では今年のナンバー1ヒットみたいですね。

19. 思いやりのススメ

Netflix配給映画ですね。こういうインディー系の良作がタイムラグ無く観れるのがありがたいです。ストーリーラインは「最強のふたり」とかと似てますけど、こっちのが好きかな。ユーモアの感じとか。ゴメ子がアンパンみたいな顔で可愛いです。

18. イエスタデイ

北欧の青春映画なんですが、中盤までの歪な感じが北欧映画っぽくて良いなと思っていたので、後半の無理にまとめあげてる感じが思い返すと違和感ありました。初恋の女の子とかはあのまま出て来ないで話も引っ張らない方が斬新でリアルだと思うんだけどなあ。あとビートルズはそんな関係ないです。

17. ガール・ライク・ハー

こちらもNetflix配給映画。いじめが題材の作品なんですが、ドキュメンタリー風に互いの視点を映し出しているので自然に色々考えさせられます。学校の教材として使って欲しいレベルです。

16. ペーパー・タウン

「きっと、星のせいじゃない。」の原作者の作品の映画化ですね。「きっと〜」程では無いにせよ良かったです。映画が良くできているってよりかは話が好きだなと思いました。あとサントラ。カーラ・デルヴィーニュは存在感あるので役に合っていると思いましたが、口を開け始めたらアレとなりました。

15. スペクタキュラー・ナウ

前から観たいと思っていたのですが全然日本に入ってこないなあと思っていたところ、未公開映画などを上映されているGucchi's Free Schoolという団体のイベント「青春学園映画祭」で日本初上映されました。山本直樹の「YOUNG&FINE」という漫画があるのですが、それに似ているなと思いました。人の弱さの描き方が良いなあと。

14. 何者

映画として画的に地味だしほぼ会話劇で、何度も観たい!っていうような映画では無いんですけど、キャラの描き方が良かったです。二階堂ふみの役とかこういう人いるよな〜と思って観ていました。そういう目線で観ると面白いと思います。

13. ロブスター

じわじわ来るタイプのシュールな作品です。「共感」とか「共通点」がかなり意識されています。

12. 君の名は。(レビュー

「運命は存在する」というテーマの背景を膨らませに膨らませた作品。

11. ディストラクション・ベイビーズ

柳楽優弥・菅田将暉・小松菜奈・村上虹郎の並びだけで最高ですね。

10. 母の残像

この監督の演出が好きです。パーティーの後に好きな女の子を送っていく時のシーンが印象的ですね。

9. シング・ストリート 未来へのうた

「ウィー・アー・ザ・ベスト!」×「はじまりのうた」

8. エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

パーティー系青春映画。ほぼほぼ意味のない会話やパーティーが続く中で人間性が垣間見えたりしてキャラクターが魅力的に見えてきます。ラストの授業シーンのテンションの落差がグッときますね。

7. イット・フォローズ

常に死の雰囲気が漂っているのがティーン特有の危うさを感じさせます。

6. 神様メール

「ミスター・ノーバディ」もそうなんですけど、この監督は想像力がすごい。無茶苦茶に見えるけど一貫してます。「天国(死後の世界)なんてないよ、ここが天国(現実社会)」みたいなセリフが印象的でした。

5. ちはやふる 下の句

松岡茉優が凄すぎる。

4. ちはやふる 上の句

いい意味で漫画チックでカタルシスの連続。主人公たち3人のトライアングルが完璧。

3. ウィー・アー・ザ・ベスト!

この監督の作品は子供とかマイノリティへの寄り添い方が好きなんですよね。「抑圧からの解放」を感じさせてくれる最後のライブシーンは圧巻。


2. 溺れるナイフ

だいぶ荒のある(わざとの部分もあると思いますが)作品なのですが、それゆえに思春期の不安定な感情がスクリーンから迸っていて魅力的に思いました。小松菜奈が花を咥えているシーンやラストの二人乗りシーンなど印象的。菅田将暉史上一番美しい。

1. ぼくとアールと彼女のさよなら

思いの外淡々としていて、「きっと、星のせいじゃない。」のようなドラマチックな感じは無いのですが、だからこそキャラクターに感情移入しやすかったです。主人公の何事にも深入りするのが怖くてうわべだけ取り繕っている感じが今っぽいなと思いました。

2016年12月27日火曜日

2016年ベスト・アルバム10 The 10 Best Albums of 2016

今年良かったアルバムを紹介していきます。


10. I Remember/Aluna George

☆Hold Your Head High, I'm in Control, I Remember

ファーストよりもメインストリームに寄り添った印象。トレンドを押さえた爽やかな電子音にヒップホップ的なリズムのトラックが心地よいです。ただ、こういう路線だとボーカルの華の無さが気になりました。アリアナあたりにこういうアルバムをやって欲しかったような。

9. All I Need/Foxes

☆Better Love, Body Talk

期待した割に...だったファーストよりも好きです。伸びやかで透き通ったボーカルが彼女の持ち味だと思うのですが、壮大なイメージの楽曲に上手くハマっていると思いました。「Clarity」とか「The Unknown」みたいなエレクトロ系の曲も聴きたいなあ。

8. My Wild West/Lissie

☆Hollywood, Wild West

彼女のことはよく知らなかったのですが、ジャケ写が良いなあと思って聴いてみたらハマりました。ぬくもりを感じるようなボーカルで、優しさに包まれているような感覚を覚えます。なので寝る時によく聴いています。

7. 7/27/Fifth Harmony

☆Work from Home, All In My Head (Flex)

なんといっても「Work from Home」!ヒップホップ的なミニマルなトラックにトロピカルな音色が印象的な2016年を代表するポップソングだと思います。カミラが脱退したのは残念ですね。彼女は声が特徴的で初めて聴いた時はCher Lloydに似ているなと思ったのですが、曲の中で主張しすぎていないのでバランスが良かったと思います。

6. Mind Of Mine/ZYAN

☆PILLOWTALK, iT's YoU, BeFoUr, LIKE I WOULD

One Directionを脱退してソロデビューした訳ですが、音楽性が全く違うのでびっくりしました。こういうのがやりたかったんですね。普通にソロになったら消えると思っていたのですが新曲もヒットしてますね(テイラーと映画の主題歌効果もあると思いますが)。「PILLOWTALK」のMVがすごく好きで、黒い涙を流すところや顔からトゲみたいなのが飛び出るところが印象的です。

5. 災難だわ/綿めぐみ

☆災難だわ, 恋が曖昧, モンキージョージ

Tokyo Recordingsという僕が好きなレーベルがあって、そこから出ているアルバムなんですが、すごく良いのでもっと売れて欲しいなあ。どの曲もキャッチーでどこか懐かしい印象があり、こういうJ-POPが聴きたかったんだよ〜と思いました。可愛らしくも不安定で闇を感じさせるボーカルが唯一無二で魅力的なんですが、歌詞もすごく好きです。「災難だわ」の「なんなら家買っちゃうより家飲みのほうが断然いいでしょ」とかインパクトありつつ今っぽいな〜と。水曜日のカンパネラの次は綿めぐみ!

4. ブラインドマン/綿めぐみ

☆この街の夜は明るい星だけがきらり, ブラインドマン

続いて4位も綿めぐみです。こちらは盲目の男「ブラインドマン」に彼女が出会うというストーリー仕立てのコンセプト・アルバムです。本人が曲を作っているわけでは無いので嘘っぽく感じるかなと思っていたのですが、こういうアイドルもありだなというか、綿めぐみのミステリアスな感じのキャラクター(ネットで調べても「香港生まれ、インターネット育ち」というキャッチコピーくらいしか出てこない)がストーリーテラーとして上手くフィットしています。

3. MADE/BIGBANG

☆FXXK IT, Let's not fall in love, BANG BANG BANG

今個人的に一番ハマってます。BIGBANG。やっぱりK-POPの中でも飛び抜けてウェルメイドというか、まずアイドルとして5人のバランスが良くキャラが立っているし、ファッションやパフォーマンスは奇抜だけどものすごく作り込まれているし、楽曲は世界的なポップシーンの流れを取り入れつつも独自の持ち味が生かされているし...とにかく最高です!兵役でしばらく5人では集まれないらしいのでLIVE観に行っておけばよかったと後悔。「Let's not fall in love」のMVでのG-Dragonが美しすぎる。

2. I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It/The 1975

☆Love Me, The Sound, Paris

こういうロックバンドって以外と今いないですよね。ボーカルのカリスマ性はすごいし、ポップスが好きな自分みたいなタイプでも取っ付きやすいと思います。「The Sound」なんかはEDMを独自解釈したロックアンセムになっていてLIVE映えしますね。

1.  Anti/Rihanna

☆Kiss It Better, Work, Needed Me

リアーナはポップスターとして何度もビルボード1位を取っているようなアーティストですが、今回は方向転換の仕方が本当に上手いなあと思いました。「Work」のようなキャッチーな曲を先行で出しつつ、シングルになりそうな曲はそれくらいで全体的にアナログな質感に斬新でサイケデリックなサウンドのアンダーグラウンドなアルバムだと思います。しかしそれでも大衆に受け入れられヒットしているのがすごい。今までのリアーナ像を打ち砕くような、でも全く無理している感じが無いような方法でポップミュージックの未来を切り開いたアルバムだと思います。


その他アッシャー、アリアナ・グランデ、チャンス・ザ・ラッパー、ティナーシェ、シーア、バウアー、アジーリア・バンクス、ボン・イヴェールあたりのアルバムも良かったです。
全体的にポップミュージックの流れとしては、去年のビーバーの「What Do You Mean?」あたりからのトロピカル・ハウスの流行りが続いていましたね。夏が来る頃には飽きていました。あとは「Closer」などもそうですが緩いテンポのEDMがヒットしたり。アルバムで見るとリアーナやアリアナ、あとフィフス・ハーモニーのアルバムなどは綺麗な電子音というよりか若干アナログな質感のサウンドでまとめていて逆に新鮮でした。こういう音が2017年も流行っていくような気がします。

2016年8月30日火曜日

君の名は。

「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」などで知られる新海誠の3年ぶりとなる監督作品。8/26より公開中。

 

君の名は。
監督:新海誠
声の出演:神木隆之介、上白石萌音


あらすじ



1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより)


感想

2016年初の更新です。。。まだこのブログ読んでくれている人いるかな?笑


今回紹介する「君の名は。」ですが大ヒットしていますね。新海誠監督のファンが多いのは知っていたのですが、結構局所的な人気だと思っていたのでちょっとびっくりです。とはいえ今回の映画はこれまでに比べ大分一般層を狙ってきているというか、まずキャラクターが可愛くなってますよね。ジブリっぽいというか。実際ジブリ作品に関わっていた方が作画監督を務めていたり、キャラクターのデザインも違う方がやっているみたいです。あと声優も神木隆之介など人気俳優がやっていたり。神木隆之介ってこういう映画好きそうな女子層の受けが半端なく良さそうなので、その相乗効果は結構あるかなと思います。

自分はというと、新海誠監督の映画は「秒速5センチメートル」と「言の葉の庭」は見たことあったんですけど、あまり好きじゃなくて笑。特に秒速5センチメートル」は主人公の考え方が閉鎖的すぎるのに、それを「初恋をいつまでも引きずってる俺。切ないけど・・・美しいよね?」みたいに美化してるのが気持ち悪くて無理でした。大人になっても夢見ていたいというか、そういう気持ちは自分も強いので好きな人が多いのも分かるんですけど、そこはあくまでファンタジーであるべきだと思うので。


ただ、実写で撮るのは不可能であるような風景描写が美しくて。アニメーションなので存在しない美しさなんですけど、実際にある風景が登場するので、もしかしたら存在するかもしれない、または自分の頭の中ではこういう風に見えてることがあるかもな、と思わせてくれるような儚さは好きだなと思っていました。


そして今回の「君の名は。」なんですが、、、すごく良かったです。ストーリー展開が秒速5センチメートル」と同じ人が作ったのか疑いたくなるくらい開放的で理想を感じさせるものになっています。演出とか新海監督の持ち味であろう部分はそのままにスケールアップしていて、ジブリ作品のような幅広い層に受け入れられそうなファンタジーな美しさと「今っぽい」演出が上手く組み合わさっていて新しい体験でした。


後半の展開については何回か鳥肌が立ちました。正直突っ込みどころを考えれば結構あげられたかもしれないんですけど、それ以上のパワーを感じたというか。3・11を思わせる展開の終着地点がハッピー・エンドなのはどうなのかという意見もあると思うんですけど、これに関してはこの映画は一貫して「希望」や「理想」を描いているものなのでバッドエンドは考えられないと思います。


あとはラスト、数年後のシーンが青春の終わりを感じて切なくて良かったです。「あ、大人になってる・・・」っていう。青春映画ってこういうことでしょ。