2015年2月20日金曜日

はじまりのうた Begin Again

『once ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督の新作。2/7~日本公開中。



Begin Again(2014)
監督:ジョン・カーニー
出演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、アダム・レビーン、ヘイリー・スタインフェルド
 

あらすじ



舞台はニューヨーク。シンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)は、売り出し中のミュージシャンの恋人デイブ(アダム・レヴィーン)に浮気されて、失意のままにライブハウスで歌っていました。そこに偶然居合わせた元売れっ子音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ)がグレタの才能に惚れ、彼女にデビューの話を持ちかけます。



シャイなグレタは最初ダンの申し出を渋っていましたが、話を受けることにします。しかしダンは会社をクビになったところだったのでスタジオでアルバムを作ることができません。そこでダンはニューヨークの街中でゲリラでレコーディングしていくことにし、伝手をつかって演奏仲間を集め、アルバム作りを進めていきます・・・。


感想
 
これは最高!音楽好きな人にこそ観て欲しい映画。

何しろ映画全体が「音楽って楽しい!」で溢れています。
ニューヨーク中でゲリラでレコーディングしていくシーン。イヤホンスプリッターでグレタとダンが音楽を共有しながら街中を歩いていくシーン(クラブで自分達だけ違う曲を聴きながら踊るところが特にいい)。
ダンの娘のバイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)がレコーディングに参加するシーンもいい(下手だって設定なのにタイミングとか完璧過ぎるのはファンタジーなので置いとく)。言葉とかじゃなくてセッション、音楽で親子の絆が生まれるのはグッと来る。

キャストも皆ハマッていて良かったです。
キーラ・ナイトレイはこういう役が合う。一緒に観た友達も言ってましたが、頭がいいからかバカな役とかやると無理してるように見えちゃうんですよね。でも今回は凄く魅力的に見える。
マーク・ラファロのやさぐれているけど愛らしい感じ。あの感じを出せる人はなかなかいないと思います。
あとヘイリー・スタインフェルドはやっぱり上手い。
アダム・レヴィーンは正直このキャストの中にいると浮いているのは否めないけど、役柄としてはこれ以上ないくらいピッタリな人選。逆によくこの役引き受けたなと思うけれど。

あともう一つグッと来たのは、商業的な音楽も否定しなかったところ。
以下ちょっとネタバレ(反転)

ラスト、グレタがデイヴのライブを観ているシーンで一瞬観客が盛り上がっているカットが入る。それを見たグレタは嬉しそうに涙を流し、そのままどこかすっきりした面持ちで自転車に乗ってニューヨークの街を走り出す。
ここは解釈が分かれるところでもあると思うけれど、これはこの曲が「みんなの曲」になったんだ、ということが分かって嬉し涙を流したのかなと思った。それは自分が小さいところでやっていた時には実現できなかったことであって。
ただ、その後グレタは作ったアルバムを個人でネットで1ドルで売ることに決める。これはデイヴ(商業的な音楽)との決別でもあるし、自分で切り開く新しい一歩でもある。
このエンディングは最高です。

 

2015年2月19日木曜日

ラブリーサマーちゃんと芳川よしの - よしよしサマー!

邦楽アーティストのCDを買ったのはかなり久しぶり。インディーズで活動する宅録アーティスト、ラブリーサマーちゃんと、トラックメイカー芳川よしのによる共作アルバム。クラウドファンディングサービス「PICNIC」のプロジェクトとして制作されました。



Title: よしよし、サマー!
Artist: ラブリーサマーちゃんと芳川よしの
価格:1,500円(税抜)
店舗発売日:2月4日(水)
取扱店舗:タワーレコード渋谷店、タワーレコード新宿店、ヴィレッジヴァンガード・オンライン


感想

もともとラブリーサマーちゃんに関してはSoundCloudに曲をあげているのを知っていて結構好きだったのですが、このアルバムの発売に先駆けて発表された曲『Starlight』が個人的にドハマリ。先日アルバムが発売されたとのことでタワレコ新宿店で購入してきました。

アルバムの内容はオリジナル曲7曲にリミックス2曲を加えた全9曲とコンパクトですが、ちょうどいい長さ。どの曲もキラキラしたキュートなポップソングであり、かつ、全体のコンセプトが一貫していているのでアルバムを通して彼らの世界観が楽しめます。

なんといっても一番いいのはラブリーサマーちゃんの「声」!どこか不安定だけれど透き通った声がポップなトラックに合わさることでノスタルジックな雰囲気を作り出している。歌い方もJ-POPにありがちな甘ったるさが無い。

そしてトラックに関しても、音色やリズムで独特なポップな世界を作り出してるのが凄い。こういう感じは洋楽にはない日本的なものだと思います。

しかしこういうアーティストが世の中にあまり浸透していないのはもったいないなあと思います。メディアが上手く宣伝すればもっと売れると思うのだけどなあ。





2015年2月18日水曜日

Passion Pit - Lifted Up

ニューアルバムは4/21リリース予定。楽しみ!




2015年2月16日月曜日

リメイク Remake

『シンプル・シモン』のアンドレアス・エーマン監督の2014年の作品。
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015にて日本初公開。



Remake(2014)
監督:アンドレアス・エーマン、ペール・ガヴァティン
出演:Lucas Hazlett、Lisa Henni、Martin Wallström
 

あらすじ



主人公のリサ(Lisa Henni)は日常のすべてをビデオカメラで記録し続けている、少し変わった女性です。恋人のマッティン(Martin Wallström)と共にNYへ旅行へ行くところから話は始まります。はじめのうちはバカンスを楽しんでいた2人でしたが、徐々にリサの態度に変化が表れます。些細なことで苛立ったり、マッティンとの喧嘩が続きます。



ある日リサは、買い物中に彼とは対照的なニューヨーカーのルーカス(Lucas Hazlett)と出逢います。徐々に彼に惹かれていくリサは逢瀬を重ね・・・。


感想
 
うーん。これは正直微妙でした。

全編がリサがビデオカメラで撮った映像というPOV形式の映画であるのですが、正直POVにした意味がほとんどありません。
いや、あることはあって、終盤で明かされるあるトリックに使っているのですが、それが分かったところで「え、だから何?」という感想しか思い浮かびませんでした。まあ観終わって考えてみると、「失ったものは取り戻せない」というテーマに繋がってはいるのですが、別にミステリーじゃないんだからそんなことしなくても。

しかし、その部分の除いてみたらそれはそれで単調かつ退屈。カップルの記録映像以上のものになってない。

あと、ほぼ全編ニューヨークが舞台なので北欧の雰囲気は全くありません。その辺も残念。

 



追記:同監督の『ビッチハグ』という作品も上映していたので鑑賞したのですが、疲れていて途中30分くらい寝てしまいました。最近こういうことが多いので気をつけよう。

2015年2月15日日曜日

リプライズ Reprise

第79回アカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表作品に選ばれ、ノルウェーのアカデミー賞にあたるアマンダ賞では見事グランプリを獲得したヨアキム・トリアーの初長編作
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015にて日本初公開。



Reprise(2006)
監督:ヨアキム・トリアー
出演:Anders Danielsen Lie、Espen Klouman-Høiner、Viktoria Winge
 

あらすじ
 
 
23才のフィリップ(Anders Danielsen Lie)とエリック(Espen Klouman-Høiner)は共に作家として成功することを夢見ています。2人はついに原稿を出版社へ送りますが、フィリップの原稿だけが出版されて一躍人気作家となります。また、フィリップはカリ(Viktoria Winge)という女性と出会い恋に落ちます。
 
 
しかし、その後フィリップは精神に変調を来してしまい2作目を書けずにいました。一方、エリックは一度挫折したものの諦めずに小説を書き続け・・・。


感想

ノーザンライツフェスティバルに関しては去年初めて行ったのですが、そこで観た『馬々と人間たち』と『リリア4-ever』が両方とも去年のベストに入れるくらい素晴らしくて。今年も開催されるとのことで何本か観に行ってきました。

まず映画とは関係ないのですけれど、この映画祭すごくいいです。
1階で北欧カフェ&グッズ売り場があったので映画を観る前に軽くご飯を食べようと北欧プレートなるものを注文して食べたのですが、これが美味しい!麦パンが特に絶品でした。北欧料理に興味が出てきたので今度作ってみたいです。
グッズも北欧のシンプルでおしゃれな雑貨などが置いてあって、お菓子の包装紙をリサイクルして作ったという小銭入れを買ってしまいました。1600円・・・。

さて、そしてこの『リプライズ』なのですが、今年観た映画の中で今のところダントツで好きです!
基本シリアスなトーンで進むストーリーながら、ハリウッドのつくる映画とはまた違った自由な作風が作品を独特な雰囲気に仕上げていて、切なさを感じさせつつもパワフルで人間くさい青春映画となっています。

一番印象に残ったのはフィリップが10、9、8、7、・・・とカウントするシーン。何回かありますが、無意識に息を呑んでしまうような張り詰めた空気感を作り出すのが上手いです。

今回のノーザンライツフェスティバルでは監督の2011年の作品である『オスロ、8月31日』も上映していたのですが、観ることができなくて残念。現在他のところでの日本配給は決まっていないとのことでなかなか観るチャンスは無さそう。DVDが出たらこの作品にしても絶対買うので出て欲しい。。!

 

50 Shades of Buscemi


2015年2月5日木曜日

ANNIE/アニー Annie

1982年にも映画化された名作ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』の再映画化。1/24~日本公開。



Annie(2014)
監督:ウィル・グラック
出演:ジェイミー・フォックス、クワベンジャネ・ウォレスローズ・バーンキャメロン・ディアス
 

あらすじ



舞台は現代のニューヨーク。両親に捨てられた少女アニー(クワベンジャネ・ウォレス)は10歳になった現在も両親が迎えに来てくれると信じ続けて毎週金曜日の夜に、自分が置き去りにされたレストランに通い続けています。



そんな彼女は施設で暮らしています。その施設を営むバニガン(キャメロン・ディアス)は歌手として成功する夢に破れ自堕落な生活を送り、アニー達にも悪意をもって接します。



そんなある日、アニーは車に轢かれそうになったところを市長候補の男スタックス(ジェイミー・フォックス)に助けられます。アニーの存在が選挙戦に有利になると考えたスタックスは、彼女を引き取って一緒に暮らし始めます。子供嫌いのスタックスでしたが、アニーと暮らすうちに感情に変化が起き始め・・・。


感想

予告の印象だとまさにミュージカル!というような映画かなと思っていたのですが、実際観てみると結構イメージと違ってアメリカン・コメディの要素の方が強かったです。
ウィル・グラック監督の過去作は確かにコメディばかりなので、コメディ色が強くなるのは自然っちゃ自然ですね。

ただ気になったのは、過去作のうち『小悪魔はなぜモテる?!』と『俺たちチアリーダー!』は観ていたのですが、笑の質がそれらと違う気がしたんですよね。
なんだか、ラジー賞でも取るようなアダム・サンドラー映画に近しいものを感じました。ミュージカルを意識したからなのか、演技もオーバーだし。市長候補であるスタックスのコラ画像が作られてるところとか、ちょくちょく笑えるネタはあったけれど。

ただ、その一方でミュージカルシーンは本当に良くて。Jay-Zがサントラの監修をしてるだけあって曲のアレンジは最高だし、何よりパフォーマンスとして観ていて楽しいです。演出やカットの切替えが上手いのでしょう。

あとは主題歌。Siaが歌う「You're Never Fully Dressed Without A Smile(2014 Film Version)」。最高です。このMVは本編以上に楽しいかも。





 

2015年2月4日水曜日

ビッグ・アイズ Big Eyes

ティム・バートン最新作。実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻の間に起こった出来事を描く。1/23~日本公開。



Big Eyes(2014)
監督:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、クリステン・リッター、ジェイソン・シュワルツマン
 

あらすじ



主人公マーガレット(エイミー・アダムス)が一人娘を連れて夫のもとから逃げ出すところから話は始まります。画家である彼女が露天で似顔絵を売っていたところ、同じくバツ1で画家のウォルター(クリストフ・ヴァルツ)と出会います。



画家同士ということで意気投合した二人はすぐに結婚へと向かいます。しばらくしてマーガレットの描いた目の大きな子供たちの絵が注目されるようになりますが、ウォルターは嘘をついて、自分がその絵を描いたことにしてしまいます。



初めこそ反発していたマーガレットでしたが、ウォルターに丸め込まれてしまい、彼の言うとおり家に閉じこもって絵を描き続ける日々が続きます。一方でウォルターは彼女が描いている絵の作者としてどんどん有名になっていき・・・。


感想

いるよなー。こういう口から先に生まれてきたような人。頭がいい訳じゃないけど口は上手い。

個人的に史実モノは苦手イメージがあったんですけど、この『ビッグ・アイズ』は楽しめました。ティム・バートンの持ち味がいいバランスで含まれていたのが良かったのだと思います。

一番良かったのはウォルターをただの悪人にしていないところ。イライラはするけど、ちゃんとリアルな人間として描かれている。

ウォルターだけじゃなくて、マーガレットにも弱さはあって。ウォルターがどういう男が分かる前にすぐ結婚しちゃうし。

あと、マーガレットの子供の描き方が良かったです。親が思うより子供は色々見てるし考えてるってことですね。

内向的な人が芸術肌で外向的な人はセールスなどに長けているっていうのは結構良くあることだと思います。この映画ではそんな2人が夫婦になった訳だから、上手くやればお互いの長所を引き出しあってもっと幸せになれただろうに・・・。実際商売としては成功したわけで。プライドや自己顕示欲がジャマをするんですかね。夫婦って難しいですね。よくわからないけど。



 

2015年2月2日月曜日

ハーフタイムショー

ザッツ・エンターテイメントといった感じ。BeyoncéやBruno Marsも良かったけど今年のポップ全開のステージが個人的には好きかな。

Katy Perryってこんなに歌上手かったっけ?口パクでは無いと思うけど。


215212442 投稿者 YardieGoals