2016年8月30日火曜日

君の名は。

「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」などで知られる新海誠の3年ぶりとなる監督作品。8/26より公開中。

 

君の名は。
監督:新海誠
声の出演:神木隆之介、上白石萌音


あらすじ



1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより)


感想

2016年初の更新です。。。まだこのブログ読んでくれている人いるかな?笑


今回紹介する「君の名は。」ですが大ヒットしていますね。新海誠監督のファンが多いのは知っていたのですが、結構局所的な人気だと思っていたのでちょっとびっくりです。とはいえ今回の映画はこれまでに比べ大分一般層を狙ってきているというか、まずキャラクターが可愛くなってますよね。ジブリっぽいというか。実際ジブリ作品に関わっていた方が作画監督を務めていたり、キャラクターのデザインも違う方がやっているみたいです。あと声優も神木隆之介など人気俳優がやっていたり。神木隆之介ってこういう映画好きそうな女子層の受けが半端なく良さそうなので、その相乗効果は結構あるかなと思います。

自分はというと、新海誠監督の映画は「秒速5センチメートル」と「言の葉の庭」は見たことあったんですけど、あまり好きじゃなくて笑。特に秒速5センチメートル」は主人公の考え方が閉鎖的すぎるのに、それを「初恋をいつまでも引きずってる俺。切ないけど・・・美しいよね?」みたいに美化してるのが気持ち悪くて無理でした。大人になっても夢見ていたいというか、そういう気持ちは自分も強いので好きな人が多いのも分かるんですけど、そこはあくまでファンタジーであるべきだと思うので。


ただ、実写で撮るのは不可能であるような風景描写が美しくて。アニメーションなので存在しない美しさなんですけど、実際にある風景が登場するので、もしかしたら存在するかもしれない、または自分の頭の中ではこういう風に見えてることがあるかもな、と思わせてくれるような儚さは好きだなと思っていました。


そして今回の「君の名は。」なんですが、、、すごく良かったです。ストーリー展開が秒速5センチメートル」と同じ人が作ったのか疑いたくなるくらい開放的で理想を感じさせるものになっています。演出とか新海監督の持ち味であろう部分はそのままにスケールアップしていて、ジブリ作品のような幅広い層に受け入れられそうなファンタジーな美しさと「今っぽい」演出が上手く組み合わさっていて新しい体験でした。


後半の展開については何回か鳥肌が立ちました。正直突っ込みどころを考えれば結構あげられたかもしれないんですけど、それ以上のパワーを感じたというか。3・11を思わせる展開の終着地点がハッピー・エンドなのはどうなのかという意見もあると思うんですけど、これに関してはこの映画は一貫して「希望」や「理想」を描いているものなのでバッドエンドは考えられないと思います。


あとはラスト、数年後のシーンが青春の終わりを感じて切なくて良かったです。「あ、大人になってる・・・」っていう。青春映画ってこういうことでしょ。