アルバムは上位5枚+次点の2枚を。
Ex.The Pink Print/Nicki Minaj
人気フィメールラッパーNicki Minajの3rd。Nickiの大きな魅力であるところの早口ラップと声色の表現力の高さ(可愛らしい声や怒鳴っている声など使いこなせる)を十分楽しめる一枚。全20曲81分という大作だが(国内盤)、ヒップホップ寄りの作風ながら一曲一曲カラーが異なっていて飽きずに楽しめる。ただアルバムとしてみるともっとコンセプトを絞り込んだ方が良かったかもしれない。
Ex.III/Take That
現在の英国製ポップの集大成のようなアルバム。特にアルバム前半は捨て曲無し。エレクトロ・ポップながらアコギの音を取り入れたり、コーラスをフィーチャーすることで暖かみのあるサウンドになっている。
5.Ultraviolence/Lana Del Rey
大ヒットした前作「Born To Die」から2年振りとなるフルアルバム。前作はサウンドやアレンジの面でオーバープロダクトな所が批評家から批判されたが、今作はThe Black KeysのDan Auerbachをプロデュースに迎え、ロックテイストなアレンジに仕上がっている。モダン・ポップな感は無くなったものの、彼女の持ち味であるところの憂鬱でハリウッドライクな世界観は健在。
4.Sucker/Charli XCX
1stよりも大衆受けしそうなアルバム(いい意味で)。ロックなサウンドにキャッチーなメロディーが組み合わさり、アンダーグラウンドとメインストリームが交じり合った傑作。ロックプリンセスの名前が相応しいのはAvril Lavineではなく彼女なはず。
3.No One Is Lost/Stars
先行シングルの「From The Night」からしてかなり路線変更してくるかと思われたが、アルバムとしてはこれまでのノスタルジックな世界観はそのままにEDM以降のエレクトリックサウンドを取り入れた新たな方向性にも進んでいて、Starsの新章を感じさせるディスコポップ・アルバムに仕上がっている。ジャケットのネオンサインが美しい。
2.1989/Taylor Swift
Take Thatの「III」が英国製ならばこちらは米国製ポップを代表する一枚。今回はカントリーを一切無くしたポップアルバムということで発売前は少し不安を覚えたが、蓋を開けてみれば80sを意識したコンセプトでまとめられた素晴らしいアルバムに仕上がっていた。無駄なく作り込まれたサウンド、キャッチーなメロディーに遊び心の効いたアレンジがノリの良さを作り出している。
1.Ghost Stories/Coldplay
前作「Mylo Xyloto」の煌びやかな世界とは打って変わって、最小限の音数とスローテンポ〜ミドルテンポで進むこのアルバムに広がるのはまさに静寂の世界。しかし終盤、AviciiプロデュースのEDM「A Sky Full Of Stars」でその静寂は一気に解放へと向かう。まずこの映画的な構造が本当に美しい。アルバムで音楽が売れなくなってきた今の時代でも、このようにアルバムで音楽づくりをしているColdplayは流石だなと思う。