2015年1月29日木曜日

カブーン! Kaboom

2011年に第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のクロージング作品として上映されました。「カブーン」とは日本語で「ドッカーン」という意味の擬音語みたいです。
 


Kaboom(2010)
監督:グレッグ・アラキ
出演:トーマス・デッカー、ヘイリー・ベネット、クリス・ジルカ、ロキサーヌ・メスキダ、ジュノー・テンプル
 

あらすじ



主人公スミス(トーマス・デッカー)の見ている夢から映画は始まります。夢の中で彼は見知らぬ2人の女性と謎の赤いゴミ箱を目撃します。彼は18歳のゲイの大学生で、ルームメイトのソー(クリス・ジルカ)とのエッチな妄想をしている草食青年です。



ある日親友でレズビアンのステラ(ヘイリー・ベネット)に誘われて行ったパーティーで夢で見た女性の1人、ローレライ(ロキサーヌ・メスキダ)と出会います。実はこの女性はステラの恋人でした。しかしローレライはスミスのことを知らないようです。その後スミスは奔放な女の子ロンドン(ジュノー・テンプル)と出会い、なんだかんだで関係を持ちます。



スミスはその帰り、夢で見たもう1人女性と彼女を追う動物のマスクを被った謎の3人組に遭遇します。女性はスミスを連れて逃げ出そうとしますが、謎のメモリーカードをスミスに託して殺されてしまいます。メモリーカードを確認するとあの動物のマスクを被った人達の映像が入っていました。しかしその時背後から襲われて気を失ってしまいます。気がつくとメモリーカードは無くなっていました。しかしその後も夢か現実か分からないようなことが続き・・・。


感想

これでグレッグ・アラキの作品を観るのは3作目だったのですが、いやーすっかりファンになりました。

あらすじだけ読んでもよくわからないと思うのですが、ゲイ、レズビアン、セックス、ドラッグ、カルト集団、超常現象・・・など色々な要素がポップな映像と共にごちゃごちゃに混ぜ込まれたような作品です。伏線とか無視して突っ走ったままラストを迎えます。

そういう意味では昨日紹介した『オール・チアリーダーズ・ダイ』と似ている部分もあるのですが、自分的にはコッチの方が断然好きかなあ。何でかって言うと、これだけごちゃごちゃなのにちゃんと1本の映画として成立しているんですよ。しかも映画全体が想像力で溢れていて。こんな映画作れる人なかなかいないと思います。

あとキャストが良かった!ジュノー・テンプルはもちろん、ヘイリー・ベネット、クリス・ジルカなど美形なんだけどファニー・フェイスな役者が多くて。

グレッグ・アラキは自身もゲイで、基本ゲイ・フィルムを撮り続けている人なんですが、その描き方が自然でいいなあと思いました。ライアン・マーフィーの『Glee』とかでちょっと感じる押し付けがましさが無い。おそらくライアン・マーフィーって差別の問題提起などを考えていると思うしそれはいいとは思うんですけど、ちょっと古いかなあと。
グレッグ・アラキの作品は全然ジェンダーにとらわれてない。実際この映画のスミスは女性とも男性とも関係を持ったりする。それって自由な感性でいいなと。やっぱり映画はそのくらいぶっ飛んでた方が面白いです。